社会人の留学(20代以上)希望者のうち、約3分の1が30代以上(40代、50代も含む)というデータがあります。(留学ジャーナル「留学白書2019」)
このデータによると、40代は前年比12%増、50代は49%増ということですから驚きです。このデータは新型コロナウィルスの影響前のものなのでこれからは変わっていくと思います。
とはいえ、社会人、とりわけ主婦層が留学するとどんな感じになるの?とイメージがわきにくいですよね。
この記事では、育休中に1週間アイルランドの語学学校に通った筆者の経験を元に、主婦の留学について感じたことをまとめました。
主婦の留学体験!育休中に語学学校に通いたかったワケ

筆者は大学時代に交換留学を検討していました。しかし、金銭的事情やその他さまざまな要因が重なり、さらに当時TOEFLの点数も十分に取れず、結果的に留学は断念し就職した過去があります。
長年の夢を、違った形でもいいから叶えてみたかった、…というと響きは良いですが、海外の学校で英語を学んだり様々な国籍の友人と一緒に頑張る、という体験は一度はしてみたいと思っていました。そして、英語コンプレックスを少しでも克服したいとも感じてました。
ラッキーなことに、筆者は育休中に夫の仕事の都合で海外へ引っ越しました。しかし、ただそれは、海外に暮らして育児をしているだけで何かを学んでいるわけではありません。
もちろん家庭内では日本語で会話をしますし、1日中0歳児と過ごしているだけです。
悶々としていた私は、夫の長期休暇のタイミングでおそるおそる尋ねてみました。
幸い理解のある夫で、「自分のお金だったらいーよ」と二つ返事でOKしてくれたのです。留学に行けば良かった…と前々から言っていた私の気持ちをくんでくれたようでした。
それから私は近辺の語学学校をくまなく調べ、ほんのわずかな留学体験をすることができたのです。
主婦や社会人が留学する時の学校選びのポイント

主婦を含む社会人が語学留学をする時に、特に悩むのは「学校選び」ですね。
何か明確な目的があって、どうしてもここの学校じゃないと!というものがある以外は、英語を学べる語学学校という括りになると一気に選択肢は広がります。
ここでは、集団クラスの語学学校に通うことを想定して、主婦(社会人)が語学学校を選ぶ際のポイントについて、以下に簡単にまとめてみました。
年齢層
年齢層については、口コミサイトや留学エージェントが持っている情報などで確認することができます。
若い人達に囲まれて刺激を受けたい!というなら別ですが、個人的には出来るだけ年齢層が高い又は幅広い学校を選ぶことをオススメします。
個人的な見解ですが、やはり話のネタが合うのは同年代ですし、学校にいる生徒さん達も同年代の友達を求めることが多いです。
授業中に先生が特定のシーンを想定する際も、学生に身近なシーンと、社会人や家族を持っている方に身近なシーンは異なります。より使える例文を身につける為にも、自分の立場に近いものの方がよりスッと入ってきますよね。
学校によっては30歳以上限定クラスや社会人限定クラスを設けているところもあるので、そのような学校に絞って選ぶのもアリです。
国籍
日本人が多い学校や、とある国籍が偏っている学校もあまり魅力が無いかもしれません。
留学エージェントのサイトや話では、「日本人が少ない」と謳っていても「実際に行ってみたら多かった」という話はとても良く耳にします。
留学先の国をどこにするか、にも寄りますがせっかくなので様々な国と人と一緒になれるクラスや学校が面白いですよね。
人数
少人数をウリにしている学校もあるように、少人数クラスの方が先生が気にかけてくれる機会も増え、自分の発言回数も増えるのだろう、という予想が立ちます。
私の場合は10−11人クラスで、うち日本人が2人でしたが、11人は少し多いかな、という印象でした。
ただ、実は少人数はデメリットもあります。
集団クラスの場合は、生徒同士でディスカッションをしたり、意見交換をしたりする場面が多々あります。少人数の場合だと、結果的にいつも同じ人と話すことになります。少し慣れが生じてきたり、飽きが出てくるなんていう話も聞いたことがありました。
マンツーマンについて
語学学校には、マンツーマンコースを設けているところもあります。
また、学校によっては(フィリピンなどに多いですが)すべてマンツーマンスタイルで行っている学校もあります。
例えば、これらの学校は短期間からマンツーマンでみっちり学べる学校です。
限られた短期間の中で、とにかく英語を詰め込んで自分で決めた目標に向かって頑張りたい!という強い意欲があるのであればマンツーマンが良いと思います。
一方、様々な人と関わりながら異文化体験もしつつ、学生らしい気分になって楽しみたい、という考えであれば集団クラスの方がより多くの発見があるでしょう。
マンツーマンであれば、オンライン英会話でもいいかもしれない、という考え方もありますね。特に、今後はオンライン留学が一般的になってくると予想されます。
ベストティーチャーの詳細な口コミ!オンライン英会話の新手法!?

リアルな情報を得るための方法
これらの情報は、留学エージェントやインターネットからある程度情報を集めることができます。
しかし、「口コミと実際は違った!」と言ったような声はしばしば聞きます。
特に、年齢層や国籍、人数は時期やタイミングによっても大きく異なります。
そこでオススメしたい情報収集のコツとしては2つ。
①実際に語学学校に直接尋ねる
②Instagramのハッシュタグ検索
①実際に語学学校に直接尋ねるについて、
エージェント経由ではなく、実際に学校にメールで問い合わせてしまいましょう。
実際に自分が行こうとしている時期を伝えた上で、クラスの規模や出身国、年齢層などを質問します。最初に英語で問い合わせるのは慣れていないと少しドキドキするかもしれませんが、リアルタイムで信ぴょう性のある情報が知れるので、是非送ってみましょう。
②Instagramのハッシュタグ検索について、
Instagramは海外でもかなり盛んに学生たちは使用しています。「#(ハッシュタグ)」検索で該当する学校名を検索すると、学校の様子の写真などが載っている場合もあります。
また、海外に留学している日本人はSNSを活用している方も多いので、日本人学生が投稿した内容も参考になります。
学校によってはアカウントを開設している所も増えてきているので、公式HPよりもより新しい情報や雰囲気が分かる場合もあるので要チェックです。
主婦が留学体験した語学学校について

主婦である筆者が、実際に通った語学学校について少し紹介したいと思います。
久々の「学生」はとても楽しかったですし、良い経験になりました。
なぜこの学校を選んだのか?
当時生後半年の息子がいたので、何かあった際にすぐ帰れるように「アクセスの良さ」をまず一番に考えました。
そして、いくつかの学校に絞り込み、直接問い合わせたり見学に行き、「出身国にバラつきが無さそう」「30代でも違和感なく入れそう」「学校の雰囲気が良さそう」という観点でダブリン市内にあるHorner School of Englishを選びました。
現在は新型コロナウィルスの影響で通常の対面クラスは行われていないようです。
1日のスケジュール
初日にクラス分けテスト(筆記・インタビュー)を行い、中間レベルのクラスに配属されました。クラスによって若干休憩時間を異なるように設け、休憩スペースに人が溢れないような工夫をされていました。
こんな感じのスケジュールでした。
9:30 – 11:10 授業
ー休憩ー
11:30 – 13:10 授業
午後は希望者のみプラスアルファのコースや無料補講など
私の場合は、息子のお世話もあるため、午後のコースは受講せず本当に短い時間の授業でした。
アクティビティ
アクティビティとは、授業以外の余暇時間を使って、生徒を引率して観光スポットへ案内してくれたり、他のクラスの生徒たちとの交流を深めたりする、学校が用意する様々なプログラムです。
週末に行うアクティビティでは、学校から少し離れた観光地へ連れて行ってくれるので、移動も楽チンですし友達もできやすいと思います。
平日に行うものだと、映画鑑賞や近くの博物館案内などがありました。
主婦がたった1週間の留学体験で感じたこと

たったの1週間ですが、育休中の主婦でも(夫の多大なる協力を得て)語学学校に通って留学体験をすることができました。
ほんのわずかな時間でしたが、経験して感じたこと・良かったことをまとめてみました。
出会いと刺激
私が所属していたクラスは、ブラジル人、トルコ人、フランス人、韓国人、シンガポール人、ドイツ人といった様々な国から様々なバックグラウンドを持った方がいました。
その中でも、同時期に入ったドイツ人の女性の方が忘れられません。
その方は50代後半で3人の男の子をシングルマザーで育てあげたお母さんでした。お子さんは確か一番下で大学生だったと思います。
子育てがひと段落し、「まだまだ学びたいことがたくさんあるの!」と、一人でドイツから3ヶ月ほど英語を勉強しに来たとのことでした。
「自分次第でいつでもやりたいことにチャレンジできるわよ。」と目をキラキラさせて言っていたその方は、授業中も積極的に発言していました。
年齢も境遇も関係ない。自分の想いと行動力次第でいくらでも人生は変わっていく。
私にとって、この方との出会いが一番の学びだったかもしれません。
次の目標や勉強の習慣
語学学校に通ったことで、英語の勉強習慣がつき、語学力を伸ばしたいとより一層思うようになりました。
その後、夫のススメもありIELTSを初めて受けてみました。IELTS自体は個人的にはかなり難しい試験だと思いますが、勉強しただけ英語力が伸びる試験だと思います。
IELTS(アイエルツ)を受けてみた!時間が無い方へのオススメの勉強法

語学学校に通って刺激を受け、IELTSを受験し、そして更にオンライン英会話も続けています。
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まだまだ語学力は満足いくレベルではないので、仕事復帰までにTOEICを受けて点数をガツンをあげたいと目論んでいます。
主婦の留学のハードルを乗り越える

主婦の留学の現実的な問題点
筆者の場合は、すでに海外に住んでいるという点で学校に通うハードルが低い状態ではありました。
しかし、日本に住んで、特に子どもを育てている場合だと、家族を置いて一人だけ海外留学のために長期間家を離れるというのは現実的ではないかもしれません。
親子留学を狙う
そこでオススメなのが、最近注目されている親子留学です。
子どもの長期休みを利用し、一緒に短期留学をするスタイルです。
親子で学校に入学し、それぞれ授業を受ける
親のみ授業を受けて、子どもは保育所や現地の小学校に行く
親子で先生の家にホームステイをして、実生活体験をしながら英語に触れる
といったパターンが挙げられます。
異文化体験や生きた英語に触れさせることによって、子どもの好奇心を育てたり、日本では感じられないような刺激を受けたり、通常の海外旅行では得られないような効果があります。
これからの留学スタイル
新型コロナウィルスの世界的流行により、海外留学へのハードルはさらに高くなりました。今までと同じように海外に気軽に行けるようになるまでには、まだまだ道のりは長いようです。
実際に現地に行き、リアルに海外の暮らしを感じてこそ「留学」と感じる部分があるのは否めませんが、「英語を学ぶ」という目的が強いのであればオンライン英会話スクールの受講や、現地の語学学校が行なっているオンライン授業を受講することが一番の近道です。
通常はオンライン授業にそこまで力を入れていなかった学校も、続々とオンラインでの受講が始まっています。集団クラスもあるので、他の生徒さんと意見交換もできます。
オンライン英会話に関するこちらの記事も参考にしてみてください。

